サッカーのサイドバックの動き方は、戦術の進化とともに変化。
サイドバックが誕生したのは、4バックのシステムができた1950年代です。
相手チームのサイドからの攻撃をおさえていたサイドバック。
やがてサイドバックには攻撃型の選手が現れはじめました。
サイドの守備をしつつ、攻守が変わった瞬間にはカウンターに積極的に参加したのです。
さらにサイドバックの攻撃参加は、タッチライン沿い(サイドライン)のオーバーラップ以外にも。
※オーバーラップとは、ボールを持っている味方の脇を追い越してゴール方向に走ることです。
中央のエリアで点をとることもあり、攻撃に参加している時間が守備の時間を上回る選手もいるのです。
左右のサイドバックの片方が、そんな攻撃型、もう片方は守備型だったりします。
それでは、そんなサッカーのサイドバックの動き方を守備の場面からみていくことにしましょう。
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サイドバックの守備での動き方は?
サッカーのサイドバックには、まずは球際で負けない役割が求められます。
サイドバックの一番の基本的な動き方はディフェンスに基づきます。
ゴールを守る動きをするのです。
攻め込んできた相手の自由を奪い、突破を許してはいけません。
サイドバックの役割は、ボールを奪うことでもありますが、相手の望むプレーを遅らせることにも価値があります。
サイドバックは個性を生かす動き方を!
サッカーの1対1の場面で、体がコンパクトなサイドバックは小回りをきかせた動き方で守備をします。
大柄なサイドバックならロングキックの攻撃に対してに高さを生かして潰します。
自分の持つスピードを武器にしても良いですし、当たりの強さが売りであればフィジカルで押さえ込みます。
自分の持つ長所を生かすことで相手の攻撃を押さえ込むのです。
サイドバックになった選手の役割は、いずれにしてもサイドからのドリブルのアタックはしっかりと止めなければいけません。
また逆サイドからのクロス(センタリング)が上がってくる時は、ゴール前の中央のエリアのカバーリングもします。
この時サイドバックは、自分より背の高い選手に対してもしっかりとしたポジショニングで対応します。
相手にぶつかることのできるポジショニングをとることが大事です。
ゾーンを守るサイドバックの役割とは?
サッカーのサイドバックの動き方では1対1の場面はもちろん、さらにゾーンを守ることも求められています。
スペースを狙って飛び込んでくるFWを押さえ込みます。
また味方が相手の攻撃を抑えるために移動し、スペースが生まれれば、そこは危険な場所になりますね。
しっかりとしたカバーが必要となります。
またサイドバックが一人の選手にマンツーマンで常にくっついて守るわけではありません。
そのためマークマンの受け渡しも、スムーズに行う必要があります。
サイドバックの動きに必要な身体能力
サッカーの試合において、サイドバックにとって自陣と相手陣内との距離を試合の最後までしっかり走れる身体能力も大事です。
終盤までパフォーマンスを維持するスタミナをもち、なおかつ、相手をかく乱するためのスピードを持つのです。
最後までしっかりと走れる体力を持ち、相手チームのサイドバックを走らせ余力を残して勝利する。
それができれば、次の試合にもキレのある動きがしやすくなります。
週に2度試合があっても体力を削り過ぎることがありません。
加えて、各タイミングの戦術を理解する能力もサイドバックには必要です。
守備の時も攻撃の場面でも、ムダに走っていてもチームのためにならなければ意味がありません。
攻撃時のサイドバックの動き方は?
サッカーのサイドバックは、自分に対応する相手のサイドバックが
「やりづらいな」
と嫌がる動き方をする役割があります。
サイドバックである自分がやりにくくなる動きを相手に対して行うのです。
サイドバックには攻撃の起点の役割が!それはどうして?
じつはサイドバックの動き方には、サッカーの試合でゲームメイクをする役割があります。
なぜなら、自チームの攻撃がサイドバックからスタートすることが多いからです。
パスを攻撃的に前に出すことができず、サイドバックまで戻せば、必然的に攻撃の起点となります。
ボールがサイドバックまで戻ってくる間、しっかりと全体の状況を把握します。
味方の欲しいパスコースを理解していれば、チームがスムーズに機能します。
しかも相手が守備に回った時、一番に守りを固めておく必要があるのは・・・。
サイドバックのポジションであるサイド(左右)ではなく、中央のエリアです。
そのため、守りが固まっていないスペースにいるサイドバックは、ゆとりを持ってボールを受けることが可能です。
こうしてサイドバックは攻撃の起点となっているのです。
サイドバックがクロスを上げる!そのときの動き方は?
またサッカーの試合でのサイドバックの役割には
オーバーラップしてクロス(センタリング)を上げる
という攻撃参加の動き方があります。
早い段階でスピードに乗ってしまえば、味方とのワンツーパスで一気にボールを相手陣内に持ち込みます。
もちろん、自分のドリブルで相手陣内に向かって駆け上がる場合もあります。
サイドバックはオーバーラップし、状況に応じてクロスを使い分けます。
- グラウンダーでシュート的に
- ピンポイントで狙う
というように、クロスを上げます。
グラウンダーでシュート的にクロスを上げる時は、ディフェンダーとキーパーとの間に空間がある場合が有効です。
味方がクロスに触れることが出来れば、ボールの方向を変えるだけで得点になる可能性が濃厚です。
ところがアイディアに乏しい、同じようなクロスを上げる動き方を続けていては、ディフェンスを崩すことは難しいでしょう。
ゴールの可能性が低い時にはクロスを上げない、という選択肢も必要です。
サッカーの試合で、ゴールの可能性が低いクロス(センタリング)は、相手チームに
「どうぞ、カウンターをして下さいね」
というチャンスをあげているようなものなのです。
◆タッチラインに留まらない動き方とは?
サイドバックにはタッチラインを走って相手陣内に攻め込む役割がありますが、内側に切れ込んでいく動き方もアリです。
インサイドにディフェンダーの視野の裏をついて中に入ることができれば、相手の守備を乱すことにつながるのです。
可能な場面では、シュートを狙うのもアリです。
攻撃から守備に変わった!その時サイドバックの動き方は?
オーバーラップで攻め込んだサイドバックは、敵陣でボールを奪われた瞬間、相手の攻撃を遅らせる動き方をする場合があります。
ボールを奪った相手チームも、ボールを保有した瞬間は、まだ攻撃のシステムがしっかりと機能していません。
味方のフォワードやミッドフィルダーと連携して相手にプレッシャーをかけるのです。
カウンターになるリスクがありながら、ボールを奪いとって攻撃に反転することも視野に入れた積極的な守備です。
もちろん、味方チームの状況から判断して自陣に迅速に戻ることも。