相撲の番付とは、場所ごとに発表される力士たちのランキング(階級)のことです。
実はこの番付表、行司の手によって書かれています。
ちょっと意外と感じがします。
1枚の紙にびっしりと書かれた力士たちの四股名。
力士の名が隙間なく書かれているのは、
「大入り満員になりますように!」
という願いもあるんですよ。
それでは早速、
- 相撲の番付!階級はどうなっている?
- 番付表の見方
- 番付発表はいつ?
- 相撲文字の番付表は縁起物
という順で見ていきましょう。
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相撲の番付!階級はどうなっている?
相撲の番付には、どんな階級があるのでしょうか。
「横綱、大関、ええと、その次は・・・。」
という方も少なくありません。
相撲の番付の階級
相撲の番付の階級を、上から順番に見ていきましょう。
横綱 | 2場所連続の優勝程度の成績で横綱になれる |
大関 | 3場所の勝ち星が33勝程度で大関になれる |
関脇 | 関脇が強ければその場所が盛り上がる、と言われる |
小結 | 小結から大関までが「三役」と呼ばれる |
前頭 | =平幕、この上位から「幕内力士」と呼ばれる |
十両 | =十枚目、ここから上位が月給が出て大銀杏が結える |
幕下 | ここから下位はちょんまげ、月給なし |
三段目 | 雪駄が履ける、着物の着用ができる |
序二段 | まだ浴衣を着ている、下駄を履いている |
序の口 | 力士デビューしたて |
となります。
力士になりたての序の口の力士。
番付表での字の大きさは、横綱の15分の1しかありません。
相撲界の隠語で、序の口は虫メガネと呼ばれているほど小さな文字なのです。
めざせ横綱!
◆番付表は1枚!力士全員を掲載
相撲の力士たち全員が、出身地と共に1枚の番付表に載っています。
番付上位(階級が上)の力士ほど四股名の文字が大きくなります。
江戸時代、1700年ごろに初めてできた番付表、はじめは2枚でした。
東と西に力士たちを2分割し、番付表も2枚になっていたのです。
しかし、その番付表はあまり見やすくはなかったようです。
そこで番付表はすぐに1枚になりました。
1757年、冬のことです。
これで東西の力士を比較しやすくなった番付表は大評判。
相撲人気を後押しするものとなったようです。
番付表の順位
前頭以下になると、それぞれの階級にたくさんの力士が。
最近の力士数は合計700人程度で、そのほとんどが前頭以下です。
そのため、前頭以下の力士の順位は○枚目という呼び方で表されます。
例えば、序二段のなかで最も上位の力士から順に、
- 序二段筆頭(1枚目)
- 序二段2枚目
- 序二段3枚目
というランキングになるのです。
◆番付表の東西
さらに、力士の番付は東西に分かれています。
同じ番付でも、東のほうがランキングが0.5上なんですよ。
例えば、同じ関脇でも東の関脇の方が西の関脇の方が上。
また、先程の序二段を例にとると、
- 東の序二段筆頭(1枚目)
- 西の序二段筆頭(1枚目)
- 東の序二段2枚目
- 西の序二段2枚目
- 東の序二段3枚目
- 西の序二段3枚目
というランキング順になるわけです。
番付表の見方
相撲の番付表の見方です。
まず、番付表は上から5段階に書かれています。
そして、番付表には力士たち以外の人たちの名前も載っているのです。
番付表は5段階
番付表は、上から5段階に書かれています。
一番上の段には、横綱、大関、関脇、小結、前頭の力士たちの四股名(力士の名前)があります。
この44人程度の力士たちは幕内と呼ばれ、番付表の大きなスペースをとっています。
幕内力士のなかでも、一番大きな字は横綱。
番付が下位になるほど字が小さくなっていきます。
上から2段目には、十両、幕下の力士たち。
十両は、明治時代にできた地位です。
もともとは、幕内の下の地位として幕下があったのです。
そして上から3段目には、そのまま三段目の力士たち。
4段目には序二段。
5段目には序の口の力士たちの名が書かれているのです。
番付表に載る人
番付表には、力士たちがメインのスペースを飾ります。
ところが、番付表は力士の名ばかりではありません。
本場所(1年に6回、15日間行われる相撲興行)に関わる人たちの名前がズラリ!
行司 | 相撲の審判 |
年寄 | 引退した力士で「親方」とも言う |
呼び出し | 土俵上で力士の名を呼ぶ人 |
床山 | 力士のまげを整える人 |
若者頭 | 相撲界のしきたりを若い力士に教育 |
などの名前も書かれてているんですよ。
このなかで、行司の名前はとても目立つところに書かれています。
行司の名前があるのは、番付表の真ん中。
東西に分けられた力士たちの間に大きな文字になっているのです。
力士と力士の間に行司がいるのです。
まさに、土俵の上で取り組みが始まる時のようですね。
番付発表はいつ?
「番付が発表されるのは、いつ?」
相撲の番付発表があるのは、番付編成会議が終わった直後です。
番付発表!ドキドキの力士たち
相撲の本場所の最終日(千秋楽)が終わると、3日以内に番付編成会議が行われます。
千秋楽は日曜日に行われ、その週の水曜日までには次の場所の力士たちのランキングが決定されるわけです。
力士たちは、
「自分の番付、上がるかな♪」
「下がっちゃうかな・・・。」
と、ドキドキです。
番付編成会議が行われると、番付は取り組みが始まる(本場所が始まる)13日前に発表されます。
発表までの間に、行司などによって番付表が作られるのです。
◆特別な昇進力士
ただし、新横綱・新大関・新十両となる力士がいる場合は特別です。
番付編成会議が終わるとすぐに、昇進した力士が発表されるのです。
横綱や大関、十両に初めて昇進する場合は、化粧まわしの作成など事前準備がいろいろと立て込みます。
その時間が少しでも多く取れるように、昇進力士の事前発表が行われるのです。
◆番付発表の当日
番付発表の当日は、力士たちも大忙し!
まず、朝6時には
「番付表を取りに来ました。」
と相撲協会まで足を運びます。
持ち帰った番付表はすぐに後援会の人たちに送られるのですが、この発送には力士も加わるんですよ。
このため、番付発表の日は相撲部屋の稽古はお休みになるのです。
力士たちがお世話になった人たちに番付表を送るのは、江戸時代から続いています。
江戸時代に、力士や部屋の親方のサインが書かれて発送された番付表が多く見つかっているんですよ。
相撲文字の番付表は縁起物
相撲の番付表は江戸時代からの風物詩であり、縁起物でもありました。
番付表は縁起物
番付表は、縁起物でもあるんですよ。
力士はその昔、神社などが建てられる時の地鎮祭で四股を踏みました。
四股を踏んで、大地の神様を鎮めたのです。
強さの象徴でもある力士たちの番付表があれば、悪いものが入れなさそうですしね。
また、太い文字でびっしりと力士たちの名前が書かれている番付表は、商売繁盛もイメージできます。
力士たちがお店に来れば、豪快に買い物してくれそうですね。
番付表は相撲文字で
番付表の文字は、相撲文字(相撲字)と呼ばれています。
番付表は行司によって書かれています。
相撲文字は、力士たちの
- 体の大きさ
- 力強さ
を表現するため、文字は太く書かれているんです。
力士たちのなかでも、最高位の横綱が一番大きく書かれています。